労働審判制度とは
解雇や賃金不払いといった労働者と使用者間のトラブルを迅速に解決することを目的に、2006年(平成18年)4月からスタートした新しい制度のこと。
例えば、不当な解雇や人事異動、残業代の未払い、人格権侵害(セクハラなど)といった労使間トラブルが通常問題とされ、派遣社員やアルバイト・パートといった非正社員の方も対称となる。
労働審判制度は、地方裁判所に労働者側・使用者側が推薦する労働審判員を各1人ずつと、審判官(裁判官)の計3人で構成される審判委員会を置き、トラブルが起きている会社側と個人の話を聞いた上で、原則3回以上の期日において「解決」を提示する仕組みとなっている。
また、労働審判制度は法的拘束力を持っているため、不服であるならば民事裁判にも移行できる。通常の裁判との違いとしては、迅速な解決が得られるのが特徴で、小さな紛争には威力を発揮するだろう。
開始から1年強経った2007年6月現在、すでに1,100件を超える申し立てがあり、手続きが終了したうちの約80%以上が解決していることから、その成果は期待以上のものといえる。
ちなみに、労働審判制度導入以前までは、労働組合や行政などへの相談件数はおよそ1年間で100万件ほど、そのうち裁判所に持ち込まれるのは約3,000件であった。しかし、時間面や費用面、手続きの煩雑さからも、労働者の大半は泣き寝入りしてきたそうだ。
労働審判制度の主な特徴と意味
- 個別労使紛争が対象
労働組合が関与することはなく、労働者と使用者が個別的に当事者となって争う(個別労使紛争)。 - 誰でも利用可能
労働者であれば誰でも利用することができるため、派遣社員やアルバイト・パートはもちろんのこと、有期雇用者や外国人労働者も利用できる。 - 地方裁判所本庁に設置
労働裁判委員会は全国50ヶ所の地方裁判所に設置、いずれかの裁判所に申し立てができる。 - 本人でも申し立てが可能
弁護士を立てる人が多いが、労働審判の申し立ては本人のみでも可能。地域によっては、制度の活用を支援する民間センターや日本労働弁護団、大手労働組合の「労働相談ホットライン」も相談に乗ってくれる。 - 出頭の確保
相手が裁判所に出頭しない場合は5万円以下の罰金が科せられ、なおかつ手続が進行し、労働審判が出されることもある。 - 法的拘束力がある
労働審判は裁判上の「和解」と同じ効力を持っているため、相手が労働審判に従わない場合は強制執行ができる。 - 原則3回の審理で決着
計3名の労働審判委員会(労働審判員2名、労働審判官1名)で構成し、3回の審理の中で争点整理、証拠調べなどを行い結論を出す。期日内で解決の見込みがあれば調停を試み、なおかつ3回の期日を経ても調停が成立されなかった場合は、労働審判を行う。審判に異議がない場合は効力が確定し、異議がある場合は訴訟に移行することができる。
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